花眼


そう言えば、今朝の新聞の歌壇に「花眼(かがん)」と言う言葉を使った短歌が掲載されていた。
 「花眼」とは中国語で老眼を指す言葉で、“花がよく見える眼”と言う意味なんだそう。字面も響きも、なんて美しい言葉なんだろう。あまりに身も蓋もなくて、思わずため息がでてしまいそうになる「老眼」なんて言葉より、これからは「花眼」と言うことにしよう。
 年齢を重ねることで世の中の美しいものがよりよく見える眼になった、なんて、勝手に解釈するのも、悪くない。
 ちなみに、新聞の歌壇に掲載されていたのは、こんな一首。

 「老眼を花眼と呼ぶことうれしくて聖書の小さき活字を辿る」 飯島幹也