倉頡輸入法(そうけつゆにゅうほう)


倉頡輸入法(そうけつゆにゅうほう)は漢字のコンピューター入力方式の一つ。朱邦復によって考案され主に中国返還前後から現在に渡り香港特別行政区で用いられている(台湾で主流のコンピューター入力方式は注音輸入法。香港・台湾以外の中国で主流のコンピューター入力方式は拼音(ピンイン)入力)[1]。なお倉頡とは古代中国で漢字を発明したと言われる伝説上の人物である。
かな漢字変換」のように入力方式を指す用語であって、特定の漢字入力ソフトウェアを指す言葉ではない。そのためソフトウェアによっては若干入力方法が異なることに注意する必要がある。


概要


倉頡入力法は, 朱邦復氏の発明による, 通常の英語キーボードで漢字を入力する方法である。 ローマ字では cangjie, tsangjie, tsangchi, changjie, chanjei などさまざまに綴られる。


1970年代の末からある, 非常に古い入力方式であり, 現在の各種 OS/アプリケーションで使われている倉頡入力は, 基本的に IBM-PCDOS 用に作られたバージョン3 に基づいている。


現在から見て時代遅れの点も多いが, 台湾や香港では入力方式の標準としての地位を確立している。


たとえば, 1999年に公布された 香港増補字符集(HKSCS) 規格票でも, 追加文字の倉頡碼が記されている。


字母について


倉頡入力法は, 字音を利用せず, 完全に漢字の形のみによって入力する方法である。 ひとつの字を字母とよぶ部品に分割し(他の入力法では「字元」とか「字根」と呼ぶことがある), 字母に対応するキーを打鍵することによって, 1打ないし5打でひとつの漢字を入力する。 (漢字以外の文字を入力する方法については省略する)


基本的な字母には以下の 24 種類があり, それぞれアルファベットのうち X と Z を除く 24 文字に割り当てられている。 この字母を刻んだキーボードも市販されている(007 の映画で出てきたことがあった)。

蒼頡


蒼頡
蒼頡(そうけつ、 倉頡とも。拼音: Cāng Jié )は、漢字を発明したとされる古代中国の伝説上の人物。


(中略)


伝説によれば、蒼頡黄帝に仕える史官であった。それまで中国の人々は、インカ帝国のキープのような縄の結び目を記録に用いていたが、蒼頡は鳥や獣の足跡の形によって元の動物を推測できることから、文字によって概念を表現できることに気付いたという。
戦国時代には蒼頡の伝説は既に一般化していた。淮南子には「蒼頡が文字を作ったとき、天は粟を降らせ、鬼は夜に泣いた」と記されている。また説文解字は、「蒼頡ははじめに作った文字はみな象形文字であり、これを「文」と呼ぶ。その後に形声文字が作られ、これを「字」と呼ぶ」としている。
また肖像画では、蒼頡は目が四つある人物として描かれており、これは蒼頡の優れた観察力を表現したものといわれる。中国でほかに帝舜と項羽も四つの目をもつ人物として描かれる。