エスニッククレンジング


加害者と被害者をきっちり分けるシビアな作業を、ドイツ国民も(そしてもちろん特にエスニッククレンジングの被害に遭ったユダヤ人たちも)一緒になって血のにじむような努力で行ったのだ。だからこそドイツは過去とハッキリ訣別して、ゼロベースで国づくりができた。


冷戦の終結とともに浮上してきたナショナリズムの高まりのなかで、「エスニ ック・クレンジング」(Ethnic Cleansing)なる言葉が主にジ ャーナリズムの世界で使われるようになった。この言葉は、「民族浄化」ないし は「民族純化」と訳されて、あるエスニック(民族)集団が、他のエスニック集 団を、殺害、暴行、レイプ、掠奪といった暴力によって抹殺したり、あるいは、 その居住地から排除するという極めてネガティヴなものとして捉えられている。 旧ユーゴスラヴィアの、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争がその典型例とされて いる。そして、これが世界のエスニック紛争の主要な原因だとされている。


民族浄化(みんぞくじょうか、クロアチア語ボスニア語・セルビア語: етничко чишћење / etničko čišćenje、英語:ethnic cleansing)は、複数の民族集団が共存する地域において、ある民族集団を強制的にその地域から排除しようとする政策。直接的な大量虐殺や強制移住のほか、各種の嫌がらせや見せしめ的な暴力、殺人、組織的強姦、強制妊娠などによって地域内からの自発的な退去を促す行為も含まれる。また、直接的暴力を伴わない同化政策も広義には民族浄化に含まれるという見方もある。