モリッシーのファン

フー・プット・ジ“M”イン・マンチェスター [DVD]


映像では、ステージ・インヴェーダーと化したファンが次々にモリッシーに抱きついていくシーンが挿入されています。モリッシーに触れたファンがみせる、なんとも形容しがたい至福の表情は、何度観てもいいものです。あれはモリッシーに抱きついている、というよりも、自分に抱きついているんだと思います。ついに自分を抱きしめることができた、そこで沸き上がったエモーションが、彼らをあんなにも優しい顔にしていると思います。

モリシに抱きついたファンたちが恍惚の表情を浮かべるのはこのへんから。

モリッシーがゲイである所為で、これが「普通のファンの行為とはちょっと違うものなんじゃないか」見たいな話は昔から言われてたけど、改めて見てもこれは恋する人たちの表情だよね。他のアーティストでも、こういう表情をするファンはいるのだろうか? ティーンのアイドルに対する子どもたちの場合は除くとしてさ。
スミスやモリッシーに一番入れ揚げていた頃は、自分がゲイであることには気づいていたけどそれほど自覚的ではなかったから、気にはしなかったけど、いま「こっちの世界」にドップリ使った目で見ると、写真家の人もライターの人もバックバンドのギタリストも、たぶん「お仲間さん」だね。もちろんファンの一部も。
誰かが言った「これは愛だ」というのも、そう考えた方がスムーズかもね。


P.S.
ライブでシャツを脱ぎ捨てて、中年太りの体を惜しげもなくさらすモリッシーを見て、「イケる」と思ってしまった(^_^;) ごめんなさい。