シェールガス


朝日新聞のいうように原発をゼロにしたら電力供給は3割減るが、再生可能エネルギーでそれを埋めることができるのだろうか? 著者も指摘するように、そんなのは何度も繰り返されたお伽話である。再生可能エネルギーのブームが始まったのは70年代の石油危機の後だが、それから30年以上たっても再生可能エネルギー(水力を除く)は日本の発電量の1%しかない。30年間で1%にしかならなかった「死に筋」の技術が、今後その30倍になるはずがない。2030年で発電量の5%ぐらいだろうというのが著者の見立てだ。


もちろんドイツやスペインのように固定価格買取を導入して巨額の補助金を投入すれば、再生可能エネルギーを増やすことはできる。しかしそれによってエネルギー産業は農業と同じ補助金産業になり、国家統制が強まる。そして補助金産業は、補助金が切れると崩壊する。スペインの財政破綻で「グリーンテック・バブル」のはじけた欧州では、太陽光発電所の建設がストップしてしまった。


原発の穴を埋めるのは再生可能エネルギーではなく、ガスタービンだというのが著者の予想である。「シェールガス革命」によってその単価は石炭より安くなり、IEAは「ガスの黄金時代は来るか?」という報告書を発表した。それによると、シェールガスも含めた天然ガスの埋蔵量は250年以上あるという。


シェールガス(英語: Shale gas)は頁岩*1(シェール)層から採取される天然ガス。従来のガス田ではない場所から生産されることから、非在来型[1]天然ガス資源と呼ばれる。


オイルシェール[1](英: oil shale)、油母頁岩(ゆぼけつがん)[2]、油頁岩(ゆけつがん)とは、油母 (en:kerogen) を多く含む岩石である。これらを化学処理して液状もしくはガス状炭化水素とすることができる。
頁岩(シェール)以外にも油母を含む岩石があり、これもオイルシェールに含める場合がある。また、油母は多くの場合複雑な有機化合物であり、固体状であるので、これを液状や気体に変えるには工業的な処理が必要である[3][4]。そのため「オイルシェール(油分を含む頁岩)」「シェールガス(頁岩由来ガス)」という用語は指し示す範囲が広く、この語を扱う場合にはそれが何を指しているのか十分に注意する必要がある。
オイルシェールアメリカ合衆国を始めとして世界各地に埋蔵されている。世界的には2兆8000億〜3兆3000億バレル(450×109 から 520×109 m3)が埋蔵されていると言われている。


注目のシェールガス、普通の天然ガスとどこが違うのか?
 

 成分は普通の天然ガスと同じだが、埋蔵場所が違う。従来の天然ガスは比較的柔らかい地層にまとまってあり掘り出しやすいが、シェールガスは深くて硬い岩盤にあり採掘が難しかった。ところがアメリカで採掘技術が進歩し、安いコストで採掘できるようになった。その結果、将来輸入が避けられないと思われていたアメリカが、今では天然ガスの生産量がロシアを抜いて世界一、輸出するほどの勢い。『シェールガス革命』と注目されている。