銃夢

銃夢 1 (ヤングジャンプコミックス)
最終巻のあとがきに、最初構想していたものとは全然違う設定になり連載しながらのライブで物語を作ったというようなことが書かれていたんだけど、記憶を失った主人公という設定はその状況から逆算的に作られたんだろうね。自分探しであると同時に物語探しでもあったんだろう。
ただ、その「探しもの」のために主人公が戦いを求め続ける姿はどうしても自分勝手に見えて、いまの僕にはちょっと感情移入出来なかったなあ。
十代の頃の僕だったら貴重なSFマンガとして狂喜して読んでたんだろうけど、年を取るというのは小説やマンガの読後感をこんなにも変化させるんだね。
これに近い意味で(福岡は来週からだから、実はまだ未見で予告編やネットの評判だけの感想なんだけど)『キック・アス』でのヒット・ガールの血まみれアクションを手放しで大喜びするのも、いまの僕にはちょっと気持ち悪いんだよなあ。