サリーとアンの実験


息子が詰まっていたところは、ならず者の一派が村(私がキー・アイテム探しに家捜ししていた村)を襲ってアイテムを強奪したシーンだった。
息子はそのシーンを見ていなかったのではなく、見ていたにも関わらず、「ならず者が強奪してしまったので、その家には既にアイテムはない」という論理が理解できず、詰まっていたのだ。
サリーとアンの実験の再現だった。


研究者3人が、サリーとアンと名付けた2つの人形を使って考えたシナリオです。


『サリーはカゴ、アンは箱を持っています。
サリーはビー玉をもっていて、自分のカゴに入れました。そしてサリーは外に出かけました。
アンはサリーがいない間に、サリーのビー玉を取り出して自分の箱に入れました。
さてサリーは外から帰ってくると、自分のビー玉で遊びたいと思いました。
サリーがビー玉を探すのは、どこでしょう?』


テストを受けた健常児やダウン症児はほとんどの子が正解(もちろん「自分のカゴの中」)しました。
ところが、同じ精神年齢に達している自閉症児たちはほとんど間違えてしまったのです。
実際にビー玉が入っている「アンの箱」と答えました。
つまり、サリーの思っていること、信念というものがわからなかったわけです。
他にも同じような実験や、もう少し複雑な実験などを通して導きだされた結論とは、
自閉症児たちは、他の人にも「心」があるということがわからない、
あるいは理解しづらい特性を持っているというものでした。