ペミカン

ツバメ号とアマゾン号(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ)


大塚さんに「こんなものを作った」と知らせたところ、「それはペミカン?」と聞き返された。…ペ、…なに?


どうやら、登山家が山に携帯する高カロリーな食料のことを「ペミカン」と言うらしい。


そうか、私はペミカンを作っていたのか。山で食べるのならまだしも、家でこれだけ高カロリーの物を食べる必要はない。さらに、カロリーとウマさは全く関係ないということもわかった。


ペミカンは、加熱溶解した動物性脂肪に、粉砕した干し肉とドライフルーツなどを混ぜ、密封して固めることで保存性を高めた食品である。毛皮交易の際に携帯保存食として広く利用され、後にロバート・スコットやロアール・アムンセンのような極地探検家の間で高カロリー食品として利用された。適切に包装されたペミカンは、長期間保存することができた。日本においても、大学山岳部などによる長期に及ぶ冬季登山などにおいてよく利用されている。
ペミカンの材料は、使用可能なものなら何でも用いられた。例えば、ペミカン用の肉としてしばしばアメリカバイソン、ヘラジカ、シカ(アメリアカシカやオジロジカなど)の肉が使われた。果物はクランベリー、サスカトゥーンベリー(saskatoon berries)がよく使われた。チェリー、スグリ 、セイヨウカマツカの実、ブルーベリーが使われたペミカンは、インディアンたちの間でもっぱら冠婚葬祭などの特別な場合に、現在でも食べられている。パウワウにも供されることが多い。
脂肪分の少ない肉と骨髄の脂肪で作られたペミカンが最上級とされるなど、毛皮交易時代のペミカン購入者の間では厳格な仕様が存在していた。
語源はクリー語の「ピミーカーン」(pimîhkân)で、「pimî」は「脂肪」を意味する。


ペミカンをご存知だろうか?
カレーやシチューを作るための冬山用の携帯食料(食材)だ。
最近では登山用の食料として、軽量化のために乾燥食品が出回っているが、コンセプトは同じだ。簡単に言えば、野菜と肉を油で炒めて、水分をとばして軽くし、日持ちがするようにした野菜炒めだ。

ざっくり以下の特徴がある。

  • レトルトより軽い。が、さすがに乾燥野菜より重い。
  • レトルトより小さい。押しつぶされても乾燥野菜のように壊れない。
  • 油脂、ビタミンD、Eを豊富に含み、体の寒さへの抵抗力をあげる。
  • 冬なら一週間くらいは持つ。
  • 火を通してあるので、調理時間がかからず、燃料を節約できる。
  • カレー、シチュー、豚汁など目的に合わせて、アレンジできる。

欠点もある。

  • 脂っこいので苦手な人もいる。
  • うまく作るのにちょっとしたコツと調理時間がいる。



携帯食料の一種


コンビーフ
アーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」の説明ではコンビーフのこと。
実際には、インディアンの携帯食料のことらしい。


登山家の携帯食料
野菜や肉などを細かく刻んでラードで固めたもの