昼間、起きるでもなく寝るまでもなく、うつらうつらしていたら、いまさら、Iさんとキスする夢を見て、びっくりして飛び起きた。
キスしたのは、今住んでるマンションの玄関口で、夢の中でふたりして出かける様子だったが、Iさんが、このマンションに来たことはないので、これはやはり夢なのだと、アタマではすぐわかった。
ただ、触れ合った唇の感触はリアルで、Iさんの唇の感触そのままで(Iさんの体臭すら感じられた)、もう二度と味わうこともないだろうと思っていたそのなまめかしさに、心臓がドキドキした。
レトリックではなく文字通りびっくりして飛び起きたあと、何故、いまになってこんな夢を見たのだろうと不思議に思ったが、Iさんも同じ夢を見た筈だと自然と感じた。共感覚のようなものだったのだ多分。