『来る』

以下、かなりネタバレ。


あの世とこの世の境が乱れる(言葉違うかも。松たか子の台詞)ほどの強烈な怪異である「アレ」が、なぜ生まれて、そして、なぜ妻夫木を襲ってるのかという、その「いわく」の部分の描写が弱いかなあ。「いわく」があって、そのせいで怪異が起こるというのがホラー物のフォーマットなので。


ホラー物って怪異が退治されて終わる。あるいは退治されても、もしかして恐怖は終わってないのかも…という余韻が残るってのがこれまたフォーマットで、それってやっぱり予測がついてしまうんだよなあ。
そんなありきたりのフォーマットにとらわれずに、強烈な怪異によって人の世とあの世の境が壊れて大災害になるぐらい行って欲しかった。


それとクライマックス。あれはああいう展開にするなら、もっと人の心の力、愛の力の強さを実感させてくれなきゃね。そこを真正面に描いてくれないと、あれじゃあまりに宙ぶらりんすぎだし、あと、あの夢のシーンはなんなんだよと。


見てて、展開がまだ練られ切ってない散漫な印象があったんだけど、脚本のクレジットは監督である中島哲也を含む3人になってるね。そのあたりが原因なのかも。