押井守


やっぱり僕らが考えるファンタジーというのは、ゲームの世界とかSFなどでさんざん見てきた、海外のものなんだよね。だからエルフだドワーフだっていうゲームですっかりなじんだ世界を、生身の日本人が日本語でやると、そうとう違和感があるだろう。ほかにも「これをやるとファンタジーがぶち壊しだ」という、絶対踏んではいけない地雷が山ほどある。たとえば「アサルトガールズ」では藤木がベーコンエッグとパンを食っているシーンがあるけど、あそこでおにぎりを食っていたらファンタジーにならない(笑)。

日本人が主役でも、戦国時代を舞台にファンタジィはやれるだろうよと僕なんか思うんだけれど、このアタマの固さが押井守なんかねえ?
撮ってる映画も似たような主題の変奏が多いし。
あと、上のインタヴビューで「ひとつの現場でひとりの女優さんとしかつきあえないので、今回は全員別々に撮影して、あとから編集と合成で合わせる形にしました」なんてことを言ってるんだが、俳優の演技さえも押井にとっては邪魔なんだろうなあ。